1,体が柔らかくなった
体が柔らかくなるのは「目的」ではなく「結果」
ヨガを始めるきっかけとしてよく聞くのが、「体を柔らかくしたいから」という理由です。実際、私自身もヨガを続けてきて感じた一番の変化は“体が柔らかくなったこと”でした。
でも、ここで大事なのは 「ヨガの目的=柔軟性アップ」ではない ということ。
ヨガは本来、呼吸や心の安定、体との対話を目的としたプラクティスです。柔らかくなるのは、その過程で自然とついてくる“副産物”のようなもの。
では、なぜ体が柔らかくなると良いのか?
どの部分の可動域を広げると体にとってメリットが大きいのか?
そして、柔軟性を高める際に気をつけたいポイント について考えてみましょう。
体が柔らかいと得られるメリット
- 怪我をしにくくなる:筋肉や関節がスムーズに動くことで、日常動作でもスポーツでも急な負荷に強くなります。
- 血流が良くなり、疲れにくい体に:筋肉のコリが減り、代謝も上がります。
- 姿勢が整い、見た目年齢も若く見える:特に股関節や背骨の柔軟性は姿勢に直結します。
特に柔らかくしておきたい部位
部位 | 可動域が広がると得られる効果 |
---|---|
股関節 | 腰痛予防・歩行がスムーズに |
背骨(胸椎) | 猫背改善・呼吸が深くなる |
肩まわり | 首こり・肩こり軽減 |
太もも裏(ハムストリング) | 骨盤の前後バランスが整う |
柔軟性を高めるときの注意点
- 「伸ばす」より「呼吸する」ことを意識する:無理に引っ張ると筋肉は逆に固くなります。
- 左右差を観察する:柔らかくしたい気持ちが強すぎて、得意な側ばかり伸ばさないように。
- “痛気持ちいい”で止める:痛みはNGサイン。継続には心地よさが不可欠です。
ヨガをしていると、ある日ふと「あれ?前より前屈できてる!」という瞬間が訪れます。それは努力というより、体との信頼関係が深まった証。
柔らかさはゴールではなく、その過程で手に入る“ご褒美”みたいなもの。
焦らず、比べず、今日の呼吸に寄り添うことが一番の近道です。
2,自分と向き合う力」が育った(体も心も)
ヨガを続けて一番の変化は、自分の状態を客観的に観察できるようになったことです。特に「体の癖」に気づけるようになったのは大きな収穫でした。
ヨガは「体を整える時間」ではなく「体を観察する時間」
ポーズを取るたびに、
- 足裏のどこに体重を乗せているか
- 左右のバランスが崩れていないか
- 余計な力が入っていないか
そんな小さな違和感に気づけるようになりました。
私の癖:①内側に重心を置きがち ②股関節が使えていない
私は幼い頃クラシックバレエをしていました。その時に正しい足の使い方を理解できればよかったのですが、子供だったので正しい足の使い方を理解できず、本来なら股関節から外旋させるべきところを、足首だけで外に回す動きを繰り返して、股関節を動かずひざ下で動かすことが癖となりました。
さらに日常生活でもその癖は続いていて、
- 歩く時も股関節ではなく腰から動いていた
- 股関節の柔軟性がほとんどなく
- お尻の筋肉もうまく使えず固まってしまい、腰痛の原因にもなっていた
この状態でバレーボールやテニスを続けたことで、
- 膝が内側に入り
- すねが内旋し
- 内側重心がクセになり
- 外反母趾も悪化
ヨガを始めた当初、「なんでバランスポーズが苦手なんだろう?」と思っていましたが、よく観察すると “足の裏の真ん中に乗れていない” ことが原因でした。
癖をなくすのではなく、「真ん中に戻る力」を育てる
ヨガを通して私が身についたのは、
✅ 偏りに気づく → ✅ 真ん中を探す
という習慣です。
これは体だけでなく心にも応用できる感覚。
- イライラしたら「今、外側に偏ってる」と気づく
- 落ち込んだら「内側に沈んでるな」と認識する
ヨガは「完璧になるため」ではなく、「中庸を思い出すため」の練習
今ではヨガは、私にとって**“自分を整え直すリセットの時間”**になっています。
体も心も、癖があって当たり前。
大事なのは 「気づいて、戻れる力」 を育てること。
それを教えてくれたヨガに、心から感謝しています。
3,筋力が付く
ヨガを始める前の私は「筋トレ=つらい・しんどい・続かない」というイメージがありました。
ですが、ヨガを続けているうちに気づいたのは――
ヨガは筋トレのように“特定の部位だけ鍛える”のではなく、体全体の筋力をバランスよく育ててくれるものだということ。
ヨガで鍛えられるのは「表面の筋肉」より「奥の筋肉(インナーマッスル)」
ヨガのポーズでは、ぐいぐい動かすのではなくゆっくり体を支えながらキープすることが多いので、自然と インナーマッスル(深層筋) が使われます。
さらに良いのは――
インナーマッスルだけでなく、それと“連動する筋肉”も一緒に働く仕組みになっていること。
例えば、
- 体幹(お腹まわり)を支える時 → 骨盤底筋・腹横筋・背中の多裂筋が連動する
- 片脚バランスポーズ → 足裏・内もも・お尻・体幹が同時に働く
この「全身で支える」感覚が、マシンを使う筋トレや部分的なエクササイズでは得られない、ヨガならではの強みだと感じています。
気づいたら姿勢が良くなる=日常生活そのものがトレーニングに変わる
ヨガでインナーマッスルが育つと、ただ立っているだけ・座っているだけでも自然と良い姿勢をキープできる体になります。
筋トレのように“がんばって鍛える”のではなく、
「使い続けられる筋肉」が身につくのがヨガの魅力。